レンタカー業を始めるには?

その他

はじめに

こんにちは。沖縄で行政書士として活動している大城です。

この記事では、レンタカー業を始めようとしている方、また中古車屋さんが修理の間に提供する代車を有償で貸す場合などに必要不可欠はレンタカー業の許可について、わかりやすく解説していきます。

まず最初にレンタカー業とは、自家用自動車を有償で貸し渡す事業で、道路運送法に基づき「自家用自動車有償貸渡業」と法律上定義されています。
自家用自動車有償貸渡業(レンタカー業)を行うには、道路運送法第80条第1項及び同法施行規則第52条の規定により国土交通大臣(または運輸支局長)の許可が必要です。

1.許可が必要な根拠と申請先

法律上の根拠

法律上の根拠として、道路運送法第80条第1項及び同法施行規則第52条を以下に記載しておきます。

・道路運送法第80条 自家用自動車は、国土交通大臣の許可を受けなければ、業として有償で貸し渡してはならない。ただし、その借受人が当該自家用自動車の使用者である場合は、この限りでない。
・道路運送法施行規則第52条 法第八十条第一項の規定により、貸渡人を自動車の使用者として行う自家用自動車の貸渡しの許可を申請しようとする者は、次に掲げる事項を記載した自家用自動車貸渡許可申請書を提出するものとする。
一 貸渡人の氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
二 貸渡人の事務所の名称及び所在地
三 貸渡しの実施計画
四 貸渡しを必要とする理由

申請先

営業拠点の所在地を管轄する地域運輸支局・運輸局の輸送部門に「自家用自動車有償貸渡許可」を申請します。申請後、標準審査期間は1ヶ月程度です

2.許可要件(人・物・お金)

(1)人の要件:欠格事由がないこと

申請者(個人または法人の役員など)には、以下などの欠格事由に該当しないことが求められます。

  • 1年以上の懲役・禁錮を受け、執行終了後2年を経過していない
  • 運送・貸渡業の許可取り消し後2年未満
  • 監査・廃止届出から2年未満
  • 成年被後見人など資質に問題がある者
  • 法人であれば役員すべてが該当しないこと

さらに、特定規模以上の車両配置の場合、整備管理者の選任が必要です。

  • バス(定員11人以上):1台以上
  • 大型トラック(総重量8t以上):5台以上
  • その他(乗用車等):10台以上

整備管理者は、整備士資格(1〜3級)または同種車両の点検・整備管理経験2年以上+研修修了が必要です。


(2)物の要件:営業所・車庫・車両

  • 営業所:実態のある事務所(受付・事務スペースがあり、バーチャル不可)
  • 車庫:営業所から直線2km以内にあり、全車両が収容可能であること
    申請時点で車両確保が必要なわけではないですが、登録時には車庫証明が必須です。
  • 車両:白ナンバーの自家用車。マイクロバスは定員・規模に応じ追加要件あり。

中古車の場合は古物商許可が必要な場合もあります。


(3)お金の要件:保険と資力

  • 財務的な要件(資本金・預貯金)は特にありません。
  • 任意保険補償は以下を最低限満たす必要があります。
保険種類補償最低基準
対人保険1名あたり8,000万円以上
対物保険1事故あたり200万円以上
搭乗者(人身傷害)保険1名あたり500万円以上

多くの事業者は対人・対物ともに無制限にしている傾向があります。

3. 必要書類と手続きの流れ

📄 必要書類(一例)

  • 自家用自動車有償貸渡許可申請書
  • 貸渡料金表・貸渡約款(国交省標準書式に準拠)
  • 事務所別車種別配置車両数一覧表
  • 貸渡し実施計画書(事業スケジュール・運営体制等)
  • 宣誓書(法令遵守等)
  • 個人:住民票/法人:履歴事項全部証明書・定款写し
  • 整備管理者選任関係書類(該当する場合)

手続きフロー

  1. 申請書類を運輸支局へ提出(審査開始)
  2. 書類審査・現地調査の上、許可取得(約1か月)
  3. 許可後、登録免許税(9万円)を許可日より1か月以内に納付
  4. 登録免許税領収書と関係書類を提出し「レンタカー事業者証明書」を取得
  5. 各車両を「レンタカー用」として登録変更。車庫証明も取得

4. 事業開始後の義務・届出

  • 貸渡実績報告書(前年度分)は毎年5月31日までに提出
  • 届出事項変更(事務所・役員・約款・車両・事業廃止等)には、事前・事後の届出義務あり
  • 整備管理者設置規模超過時:整備管理規程の制定・届出が必要
  • 違反・未届の場合は監査対象・行政処分あり

その他にも、レンタカー業を営むにあたっては、道路運送法および関係通達に基づき、貸渡簿や整備記録簿、事故・故障報告簿の作成や貸渡料金表や貸渡約款の掲示などが義務付けられています。

帳簿類はすべて営業所単位での保管が原則となっています。

5. その他注意点

マイクロバス貸出の追加要件

自家用マイクロバス(定員11〜29人、車長7m以下)を貸出す場合:

  • 事業実績が2年以上あること(未経験者はNG)
  • 直近2年間に貸渡自動車使用禁止などの処分がないこと。 

無許可営業のリスク

  • 刑事罰:6か月以下の懲役または30万円以下の罰金
  • 業務停止や使用車両の差し止め:無許可営業に対する行政処分の対象

大切な車両やビジネスを守るためにも、必ず適切な許可取得を行いましょう

6. 行政書士としてのご提案

当行政書士は、許可取得に向けた書類作成・添削、申請代行から登記簿謄本(又は住民票)などの取得や自動車登録までなど全ての業務を承っております。初回面談・ヒアリングからしっかりと丁寧にサポートいたします。

開業当時のお忙しい時期は、手間と時間のかかる作業はぜひ私にお任せください。

まとめ:円滑なスタートのために

  • 道路運送法第80条・施行規則第52条に基づき、国交省許可が必須
  • 要件は「人(欠格・管理者)」「物(営業所・車庫)」「お金(適切な保険)」
  • 書類の精度、車庫配置、保険要件など一つひとつが審査対象
  • 許可後も報告義務・届出義務がある
  • マイクロバス貸出は追加要件に注意

ご相談・お見積もりは無料面談・オンライン面談も対応しております。行政書士として、皆様のレンタカー事業スタートを全力でサポートいたします。どうぞお気軽にお問い合わせください。

おきなわ外国人サポート行政書士事務所 行政書士 大城宏太

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